今回は2022年11月11日(金)から公開されている、新海誠監督の新作映画すずめの戸締まりを観てきた40代が、この作品を通して伝えたかったことや、考えるべきことを私なりの気持ちや考察を記事にしてみたので、興味がある方はぜひ最後まで目を通してみてください。
あくまでも一個人の主観であるため、間違っている部分もあるかと思います。
ネタバレも含んでいますので、内容を知りたくない方は見ないようにして下さいね。
真の伝えたいことは二つの巨大地震に自分自身で備えてほしい!ということではないでしょうか?
すずめの戸締まり映画は、南海トラフ地震と首都直下型地震に備えて!が真のテーマ?
今回の災害テーマは巨大地震『東日本大震災』を3・11という数字までも出てきて、当事者ではない人たちでも忘れていない3・11を思い出してしまう賛否両論のある作品になっていました。
私は当事者ではないので、恐怖や悲しみ絶望感が、トラウマのように蘇ることはありませんでしたが、この作品を当事者の人が観るには、辛い気持ちになってしまった作品だと思いました。
そんな中、私の考察にすぎませんが、30年以内に高確率で発生すると言われている二つの巨大地震。
これは今の科学や研究、そして歴史によって解明されているものなので、占いや予言ではなく確実に起こってしまうことだと思います。それが一年後かもしれないし明日かもしれない・・・。
その地震に備えるのは自分自身だ。ということに繋がるのだと思いました。
まずはなぜこの二つの巨大地震のことなのかというと・・・。


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①要石(かなめいし)を必要とする場所
要石は、作中で時代ごとに場所を変える。
人の認識が変われば土地の形も変わり災害の形も変わる。
それによって、要石を必要とする場所も変わる。
と設定されていて、要石の使い方としては二つのパターンがあり、一つは後ろ戸の手前に打ち付ける。
この場合その土地で発生する巨大地震を防ぐことができる。
もう一つが、ミミズに直接打ちこむとミミズ自体が消滅するというものでした。
冒頭でこの要石の場所が宮崎県と東京都でしたよね・・・。
②要石は二つとも常世で使われている
常世で二つとも使われている・・・。
ということは現世では存在していないことになります。
巨大地震を防ぐ手段がなくなったことになり、いつ起きてもおかしくないという状況になってしまった。
二つを私なりに考察すると
作中では宮崎(要石が冒頭であった場所の)から、すずめはスタートし愛媛県➡️神戸(兵庫県)に移動してます。
この三ヶ所は南海トラフ地震でとても被害のでる場所だと予測されています。
要石が常世で使われていることも、3・11は必ず起きると言われていた地震であり、想定外という言葉を当時よく耳にしていましたが、政府にしても万全な対策ができていなかったのが事実として現実にあります。
今の日本の(世界での)ウイルスにも似たようなことが起きているようにも感じました。
防ぐことができたのに、できなくなった作中の設定と、現実の日本を置き換えて考えることができるような気がしませんか?
けれども、本作は自分を救うのは自分自身だ!とも教えてくれました。

すずめの戸締まり映画 すずめの叔母から私に伝わったこと
すずめの叔母・岩戸 環(いわと たまき)さん、というキャラクターを通して伝わった事があります。

宮城へ向かうパーキングエリアでの感情が爆発したシーンで、環さんは『あんたのせいで婚活もうまくいかなかった。』
『お姉ちゃんのお金があっても割りに合わん。』『私の人生返しんさい。』『家に人を呼べなかった。』
とか急に言いだして、観ている私も『え?なんでそんなこと言っちゃうの?』『それは言っちゃダメだよ。』
と思って観ていましたが、黒猫(サダイジン)が現れました。
環さんに取り憑いていたのか?環さんの負の部分?が出たのかは、わかりませんでした。
その後・・・自転車の後ろにすずめを乗せていたシーンでは、『あの時言ったことは、心の中にあった。でもそれだけが全てじゃない・・』みたいな事を言っていたんです。
すずめの戸締まり映画 前半部分での環さん
物語の前半で環さんは、すずめの気持ちに寄り添ったり、すずめのことを優先させていなかったように思えました・・・。
私も母親なので環さんには感情移入をして観ていました。
環さんは叔母なので本当の母親とは少し違うかもしれませんが、すずめが4歳の時から12年間二人だけでずっと一緒に居たわけですから、気持ちの上ではすずめの母親ですよね。
環さんは高校生にキャラ弁を作っていたり、壁一面にすずめの写真を飾っていたり、長文のメッセージ送ったり、LINEは55件も送っていましたよね・・・。既読されるまで送ってしまうのはなんだか共感できます。(あんなには送りませんが・・・。)
本当に心配しているからなのと、環さん自身が安心したいからなのと、きっと、本当の母親がいなくてもきちんと育って欲しいと思う気持ちが強いというか、責任感もあると思いますが、やはり愛情がないとできない事ですよね。
ただ、すずめにはそれが重かったんですね。
すずめが重いと感じているということは、環さんはすずめのことは考えているけれど、すずめの気持ちには寄り添えていなかったのかもしれません・・・。
『こうしてあげたい。』環さん自身の『こうしたい。』
という気持ちが優先されている行動なんでは・・・?と客観的に観ている私は思ってしまう部分がありました。
すずめの戸締まり映画 後半部分での環さん
パーキングエリアでの感情爆発後の環さんは、観ていて変わったなぁって思いませんでしたか?
まだ環さんにとって、すずめが何に一生懸命なのかわからないけれど、すずめの気持ちが伝わってきて、環さんの心が動いた瞬間、上着を脱ぎ捨てて自転車ですずめの故郷宮城へ、向かうシーンになりました。
そしてすずめの気持ちに共感して、一気に感動的になりましたよね。
すずめの戸締まり映画『行って来ます。』が心に刺さる言葉

『行って来ます。』この言葉は作中で何度も聞きました。
色んな人達の『行って来ます。』家族へ向けて、恋人へ向けて、大切な人へ向けて・・・。
ごくごく当たり前の日常の中での、ささやかな言葉・挨拶でしかなかったものが、一瞬にして平凡な日常が一変してしまったあの日の現実。
あの日すずめも、本当のお母さんにきっと『行ってきます。』と言ってたんじゃないかなと思います。
そして不幸にも犠牲者になってしまった母親からの『おかえり。』は聞けなかった。
家族が不幸にも犠牲者になってしまった人は、言えなかった言葉。
こんなにも『いってきます。』の一言が突き刺さる映画は他に観たことがありません。
最後の方のシーンで、すずめが常世から現世に戻ってきて後ろ戸の鍵を閉める時『行ってきます。』と言っていました。
すずめのこの時の『行ってきます。』は、3・11のことは決して忘れられることはなく、悲しい辛い事実だったけど、あの時のことを受け入れて、これからの未来に向けての決意表明。
そして、お母さん『私のこと見ててね、見守っていてね。』という母親との本当のお別れが、心の中でできた。
ということなのかなと思えました。
すずめの戸締まり映画 まとめ
今回この『すずめの戸締まり』を観て、私の感想をまとめさせていただきます。
他にも気になる一言や考えさせられる言葉とかたくさんありました。
平和に暮らせている時は、忘れてしまいがちなとても大切なこと。
地震のことが風化してしまわないように、教えてくれた事。
地震大国に暮らしている日本人だからこそ、誰かに守ってもらう、誰かを頼ってしまうのではなく、
まずは自分で自分を救うという事を、これから先は思い出させてくれるそんな映画だったと思います。


